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十割そばの読みはトワリソバか??
2026年2月27日
 
 
昭和40年頃のおしながき

 十割そばは、ジュウワリソバと読むんだと思っていました。でも、トワリソバとご注文されるお客様が、あまりに多いので、フェイスブックでアンケートをとってみました。結果、2割近い人が、トワリソバ と読んでいるとわかりました。

 国語辞典の広辞苑第七版(2018年)には、ジュウワリソバ、トワリソバ、両方が載っています。ちなみに、広辞苑第六版(2008年)には、どちらも載っていません。

 国語辞典に両方が載っているのなら、どちらでもいいようなものですが、何かスッキリしませんね。そこで、OKWEVE(2000年設立)という質問サイトの過去ログを検索して、最も古い「トワリソバ」の質問を見つけました。日付は2004年8月7日です。「十割そば」の読み方について教えてください。 「とわりそば」でしょうか。それとも「じゅうわりそば」でしょうか、という質問です。

 じつは、この質問が出される直前の2004年7月27日に、京都のある酒造会社が、「十割」という名前の蕎麦焼酎を出しているのです。当時の焼酎ラベル十割有名な書道家、榊莫山が揮毫した文字に、絶対に「じゅうわり」と読むんじゃないぞ、といわんばかりに、「とわり」と読み仮名がついています。

 タイミング的には、もしかしたらOKWAVEのとわり質問と関係あるんじゃないの?という気がしませんか。

 酒造会社に問い合わせたとこと、トワリという読み方は、昔からあるもので、ウチが始めたものではない、江戸時代の古文書には読みがながついていないので、確認はできない。とのことでした。

 なにか、モヤモヤしますね。トワリソバという言葉が、本当に江戸時代にあったんでしょうか?

 私は、どういう読み方をするにしろ、十割そばという言葉は、江戸時代にはなかった、と思っています。

 『食の風俗民俗著集成4』という本には、江戸時代のそば関係の本が、『蕎麦全書』など5冊分が集められているんですが、この本には十割そばという言葉は見つかりません。昭和のはじめ頃に、江戸時代生まれのそば屋が書いた『蕎麦通』という本にも、十割そばという言葉がありません。

 無いことを証明するのは不可能ですが、私には江戸時代に十割そばという言葉があったとは、どうしても思えないのです。

 私が見つけた最も古い「十割そば」という言葉は、1975年に売り出された乾麺の商品名でした。東京かじのという会社が、長野県の山本かじのという系列会社に、製造を委託したものです。東京かじのさんが、十割そばと名付けたということは、山本かじのさんに問い合わせて確認しております。ついでに、十割そばの読みも尋ねたのですが「ジュウワリソバ」と 1975年当時から読んでいるとのことでした。

 そば屋の世界で 十割そばという言葉がはやったのは、1995年に盛岡の十割そばという会社が、十割そば製麺機を販売したのがきっかけです。この製麺機のおかげで、立ち食いそば屋さんでも、十割そばを作るお店が現れました。

 今のところ、十割そばという言葉は、1975年より前のものは、見つけられません。もし、1975年より前の十割そばをご存知でしたら、メールで教えてください。

 

 

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