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おたずねの小麦粉ですが、 中力粉かどうかは現物を見ない限りなんともいえません。 日本国内ではいろんな品種の小麦が栽培されていますので、 小麦粉を頂いた方に小麦の品種をご確認なさってください。
・中力、 薄力粉品種
ホクシン、きたもえ、農林61号、さぬきの夢2000、きぬの波、つるぴかり、ふくほのか、チクゴイズミ 、しゅんよう、ニシホナミ、ネバリゴシ、きぬあずま、ゆきちから、キヌヒメ、ユメセイキ、フウセツ 、
・強力粉品種
ハルユタカ、春よ恋、はるひので、キタノカオリ、ミナミノカオリ、ニシノカオリ、ユメアサヒ、ハル イブキ、ゆきちから、ハルイブキ、
ご質問から察しますに、 その小麦粉でうどんをつくったが、おいしくなかったのでしょうか?
自家製粉の小麦粉ということであれば、 糠に相当するフスマ分を充分に取り除いていないのかと推測します。 そういう小麦粉も味わいがあるといえばいえるのですが、 玄米御飯みたいなものですから、好き嫌いが分かれます。
小麦粉の薄力粉、中力粉、強力粉の区別は、 小麦粉に含まれる粗タンパク(主としてグルテン)の量で決まります。 粗タンパク量は小麦の品種によってほぼ決まります。 小麦は、粗タンパク量の少ない軟質小麦と、 粗タンパク量の多い硬質小麦の二つに大別されますが、 軟質小麦のなかでも粗タンパク量の多いものがうどん用中力粉になっています。
小麦粉の薄力粉、中力粉、強力粉の用途の違いは、目安にすぎません。 うどんの場合も、好みがあって一概に中力粉がいいとは言えません。 たとえば、強力粉で打ったうどんがうまいと言う人もいますし、 私個人としては、茹でたて限定ですが薄力粉で打ったうどんが好きです。
「自家製粉」ということなので、もしかすると全粒粉かもしれません。 全粒粉というのは、フスマ分の多い小麦粉です。 フスマと言うのは米でいえば、ヌカに相当します。 全粒粉は、ビタミン、ミネラルが多く、 独特の風味を持つ小麦粉で、好みが分かれる小麦粉です。
全粒粉にも薄力粉、中力粉、強力粉があります。 全粒粉でうどんを打つときは、打ちたて、茹でたてでお召し上がりください。 生地を寝かすなど熟成も不要です。 全粒粉のうどん打ちについては 「寝かすと、うどんが死ぬ」と言う人がいるぐらいです。
うどん以外の用途についてですが、 小麦の品種や、全粒分かどうかが、分からないのではなんともいえません。 たとえば、パンですが、薄力粉ならパンには不向きです。 (蒸しパンなら出来るでしょうが。) 中力粉、強力粉ならパンを焼くことは可能です。
全粒粉で、パンを焼くのは出来ないことはありませんが、難しいです。
私はパン作りは趣味の範囲の素人ですので あくまでも参考程度に留めおいていただければ、ありがたいのですが、 全粒粉は、ふくらみがあまりよくなく、発酵時間を長く取ると味が落ちます。 焼き立てなら独特の香ばしさが嫌いではないのですが、 時間が経つとぼそぼそになって美味しくありません。 全粒粉なら市販の強力粉にブレンドしてパンを焼いたほうが良いと思います。
どんな粉でも何とかなる料理といえば、「お好み焼き」でしょうか。 長芋やジャガイモをすりおろしたものや、 片栗粉や鶏卵をまぜて食感を調整できますし、 水もしくは出汁で溶いてすぐに焼いて、焼き立てで食べるのが一般的ですから、 もし全粒粉だったとしても時間経過による味や風味の変化を 気にしなくてすみます。 全粒粉独特の風味が苦手な人でも、 ソースや青のりでかなり食べ易くなります。
ご質問に対して明確なお答えが出来なくて残念ですが、 いささかなりともご参考になれば幸いです。
末筆ながら、もし全粒粉の場合、 慣れない人は消化不良を起こすことがあります。 食べ過ぎにはご注意ください。