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「ソバとラーメン作り粉の相違はなんですか」
とざっくりしたご質問ですので、
ざっくりお答えできれば宜しいのですが、厳しいです。
結論から言うと明確な相違はございません。
ご説明するには、そばとは何か、ラーメンとは何かを
明確に定義付けることが必要かと思います。
これが難しいのです。
一般的にいうと、
そばは、タデ科ソバ属のソバの実を粉にした、いわゆるそば粉を使用しています。
ラーメンは、イネ科 コムギ属のコムギの実を粉にした、いわゆる小麦粉を主として使います。
そば粉も小麦粉もいろんなタイプがあり目的に応じて使い分けられます。
そば専用の小麦粉、ラーメン専用の小麦粉というものもありますが、
必ずしもそれを使わなければならないというものではありません。
またそれら以外の粉を混ぜる場合もあります。
そばには小麦粉が混ぜられることが多いのです。
ラーメンにはそば粉は通常使用しませんので、そば粉が入っているものがそばと言えなくもありません
。
ラーメンには「かんすい」が使われ、ラーメン独特の風味、食感をだしています。そばには「かんすい
」を使用しません。
その点に注目すれば「かんすい」が入っていればラーメンと言えなくもありません。
ただし、ラーメンにそば粉を混ぜてはいけないということはなく、
現に冷やし中華の麺にはそば粉を混ぜたものもあります。
無かんすいラーメンというものもあります。「かんすい」とは表示されませんが、「かんすい」の原料となる添加物を混ぜたそばもあります。
そばもラーメンも作る人によって配合比率や使用食材や添加物が違いますので線引きが難しい面もあります。
またラーメンのことを中華ソバあるいは支那ソバなどと呼ぶこともあり、ますます分かりにくくなっています。
要するに、作る人売る人がそばとして出し、食べる人買う人がそばとして受け取り、その状態がある程度続けば、それはそばです。ラーメンも同じです。
であれば、
「ソバとラーメン作り粉の相違」は普遍的な基準が存在するわけではありません。
そばとして販売するための一応の基準があります。
JAS基準では3割以上そば粉を使ってなければ、
そばとして売ることはできないそうです。
これはJAS認定の製品に限られますので、
JAS認定を受けなければその基準も適用されません。
JASマークのついたそばは、ほとんど見かけないと思います。
製麺業者の団体では、JAS認定が無くても
JAS基準に合わせようという
申し合わせをしているところもあるようです。
全ての業者が団体に加入しているわけではないし、
基準に反しても罰則があるわけではないようです。
そば屋やラーメン屋で自家製麺している場合は、
全く基準は無く、それぞれの店が自己責任で自由に作ることができます。