Q&A |
ホームページをご覧いただいた皆様からのご質問です。 |
Q蒸しそばの作り方 |
2012年 4月21日 |
蒸しそばの項を拝見しました。 一度体験したいと思います。 蕎麦は自分で打っています。 蕎麦はどの状態で蒸しにかけるのでしょうか? 又蒸し時間はどれ程でしょうか? |
A 答 |
喜心庵のホームページをご覧いただき有難うございます。 Q、「蕎麦はどの状態で蒸しにかけるのでしょうか?」 Q、「蒸し時間はどれ程でしょうか?」 その他にご注意戴く点があり、またお断わりしておかなければならないことがあります。 お断りする点としましては、江戸時代の初め頃に滅んだとされる蒸しそばは、製法に関する文献資料が無いため、誰も正解を知りません。 再現した人によれば「食べられた物ではない、昔の人はよくこんなものを食べていたな」と言った表現に、いくらなんでも現代人が唾棄するようモノを商売にできるとはおかしいと思い、色々試行しみました。 たしかに二八そばを蒸したものは食べられたものではありませんでした。10割りのそばで蒸してみたら、なんとか食べられるものになりました。「食べられたものではない」と言った人は二八で試したのではないかと思います。 もちろん、江戸時代初め頃食べられていたモノと同じという確証はありません。 ですから、蒸しそばの再現に成功したとは言えないのです。 食感も味も普通に茹でたそばとは違います。 食べられないという程ではなく、茹でない分ソバの甘味と香りが強いのが特徴ですが、滅ぶのは滅ぶだけの理由があると実感させられるようなそばです。 とはいっても私はときどき食べたくなりますが・・・・・ あまり期待はせず、そばの可能性の一つを試してみる位のつもりでお願いします。 注意点です。
ホームページでは、中華セイロにクッキングシートを敷いて蒸していますが、仕上げにお湯をかける場合向きません。新しい中華セイロは木の匂いが強いので避けられたほうが良いと思います。 一般的な蒸し器の場合、重ねるタイプと、深鍋タイプがありますが、 重ねるタイプの場合,蒸し器に直接生のそばを載せて蒸して構いません。 そのまま流しに運び熱湯をかけてやってセイロやザル、皿などに菜箸で盛りつけて召し上がってください。 深鍋タイプの場合、お湯をかけないで召し上がるのなら良いのですがお湯をかけるのなら、ステンレスのザルに生のそばを蒸し器に入れ蒸し上がったら火傷しないように取り出して流しでお湯をかけてください。 もし、そばセイロをお持ちでも蒸すのには使わないでください。 漆塗りなら、漆の匂いが、樹脂製ならプラスチック臭が出ることがありますし、変色や変形することもあります。 今のそばセイロは蒸すことを前提にできていません。 竹ザルに盛って蒸すのは問題は無いのですが、竹ザルの傷みが早くなったり,シミができたりすることがあるので、高級な物、お気に入りの物は止めておいたほうが良いと思います。 老婆心ではありますが、火傷にはくれぐれもご注意ください。 よろしければ、お召し上がりになった蒸しそばの感想を教えて頂ければ有り難いです。 |
Re: |
大変御丁寧なお返事を頂き感謝いたしております。 一度試して見たいと思います。 他にこれは絶対オススメだと思われる変わった蕎麦の食べ方などありましたら教えていただきたいと思います。 有り難う御座いました。 |
A 答 |
困りました。 絶対オススメなんて持ち合わせていないですから、それに変わったですか、本当に困りました。 伝統系そば料理、郷土系そば料理なら、あつもり、真田そば,大根そば、おしぼりそば、そばのほうとうなどあります。 郷土料理なんて地域の家庭料理ですから家によりやり方もさまざまで、勝手にアレンジもでき、自由度も大きいところがいいですね。 あつもり、真田そば、大根そばは喜心庵のホームページに載っていますし、名前で検索するとまた違ったやり方をみることができます。 (大根そばは喜心庵のホームページでは千六本そば、としていますし、スズシロそばと呼ぶ人もいます。) 「おしぼりそば」というのは、大根おろしの絞り汁を使うそばの総称で、真田そばもおしぼりそばの一種です。味噌、醤油、かえし、そばつゆを大根おろしの絞り汁を加えるタイプもあります。 あつもり http://www.h5.dion.ne.jp/~kisin-an/ryouri/atumori.html 真田そば http://www.h5.dion.ne.jp/~kisin-an/tisin/sanada.html 千六本そば http://www.h5.dion.ne.jp/~kisin-an/ryouri/sen.html ほうとうは平打うどんのみそ煮込みみたいなものですが、そばで作る地域もあるそうです。 個人的にはそばの場合は、味噌より塩ほうとうのほうが好きです。 かつおだしを火にかけ、味醂と塩で味付けし、鶏肉,ホタテ、タコ、白菜、ネギ、小松菜、水菜、ごぼう、かぼちゃなどお好みの具材を適当に入れ、ほぼ火が通ったら、生の手打そばを入れ軽くほぐします。30秒から1分程煮るとできあがりです。 コツとしてはそばの量は少なめにすることです。 好みですが、太打ちにして1分半から2分位煮たほうが扱い易いです。 ワンポイントとして薄口醤油を隠し味程度いれると、全体のまとまり感が出ます。 最近はもりそばに塩をかけて食べる人が結構いるそうですが、もう少し手を加えてトマトそばはどうでしょうか。 茹でて冷水でしめたそばの水を良く切り,適当な皿に盛ります。 スライス、さいの目など適当に切ったトマトを載せ、オリーブオイルと塩をかけて出来上りです。 トマトは缶詰でもトマトピューレでも構いませんが、これからの季節やはり生ですかね。 モッツァレラチーズ、豆腐、蒸し鶏,茹で鶏などを取り合わせても面白いです。 お好みで色々試してみてください。 薬味にルッコラやチャイブを使うとイタリア北部の田舎料理と言っても信じる人が出そうなモノになります。 昔からある酒好きの人のそばの食べ方ですが、ノビかけてくっつき始めたそばに酒をかけてほぐして食べるという食べ方があります。 名前がついているわけでもなく、私どもは酒びたしと呼んでいました。 茹でたてのみずみずしいそばに酒をかけたのでは、そばと酒が良く馴染まないし、水っぽさも残ります。 水気が無くなりくっつき始めた位のときに、冷めた燗酒を盃に1〜2杯ふりかけてやるのがいちばん美味しいような気がします。 |