Q&A   
ホームページをご覧いただいた皆様からのご質問です 
リズム良く一定の幅で切るコツ

2012年12月 4日 

 ホームページを楽しく読ませて頂きました。 Q&Aは特に、自分にとって興味津々でした。 同じ事で悩んでいる方もいました。 この度、質問を書かせて頂いたのは 蕎麦をリズム良く一定の幅(目標1.5mm)で切るコツを教えて頂きたくて メールいたしました。

高橋名人の様にとは言いませんが、トントンリズム良く切るのに 時間がある時には、まな板の上にタオルを引きコツコツ練習をしても 実際には、麺体に厚みが有りタオルの上の様に、リズム良く包丁を 動かせませんし、細さもバラバラです。 色々と挑戦をしているのですが上達しません。

そこで、現在の自分のスタイルを書いてみますので アドバイスを宜しくお願い致します。

・包丁は中指・薬指・小指で包丁の重みを感じる位の力で持っています。
・包丁を前に押すように切っています。
・駒板の送りは、まな板の上で包丁が前に滑っている時に、  同時に包丁を傾けて駒板を送っています。
・駒板は、包丁で動く程度の力で押さえています。
・切りの途中で麺体は、斜めにずれたりしません。
・包丁の入れる角度は、駒板の枕の下に少し入る位の角度で包丁を入れています。

 以上です。 わかりにくいとは思いますが  宜しくお願い致します。

 答

喜心庵のホームページをご覧いただき有り難うございます。

包丁、こま板の使い方について結論から申します。 「馴れ」ることです。 40年以上も前、私が小学生のときのはなしです。 身長160センチ弱体重60キロ越とかなりの肥満児で、体育が大の苦手の運動オンチでした。 それが跳び箱だけは6段7段が跳べておりました。

なぜか教師が踏み切り方だの空中姿勢だの細かな指導をして来たのです。 それをいっぺんに言われたため混乱しながら助走に入り、 自分のタイミングも取れず、跳び箱に激突してしまいました。 それ以来跳び箱も跳べない肥満児になってしまいました。

※※様は、ネギを刻んだり、キャベツの千切りはなさいますでしょうか。 それを考えながらなさっておいででしょうか。 考えながら手を動かしているとすれば、 キャベツを抑える手は絆創膏だらけ、キャベツは血まみれになっていると思います。 体に覚えさせなければいけないことは頭で理屈を捏ねてもダメで、場数しかありません。

なかなか上手く説明できなくてすみません。 取手付きのこま板というものがありまして、 ほんの十年くらい前まではそのほうが主流で、 取手もないこま板がどうして進むのかという問いにに対しての答えが 包丁を傾けて押しているというだけなのです。 なぜ手のひらではなく3本の指で押さえるのかと言えば、 こま板の傾きを察知しやすいのと、バランスをとりやすいからです。 という風に理屈はいくらでも後付けできます。

※※様が書かれておられる、こま板包丁の使い方は概ね正しいのです。 まずは、ご自身の想い描く「そば」を切っている自分自身をイメージしてください。 ブルースリーの映画で「Don't think. Feel!」というセリフがありましたね。 こま板を押さえる指でこま板の下の生地や包丁を感じてください。 私のやり方が通用するかどうか判りませんが、 私はこま板を三本の指でつまむようなイメージで押さえています。 私にとっては、そのほうが指先に神経が行きやすいものですから。

技術的なことを少し、 高橋さんを倣っておられるなら大丈夫だと思いますが、 畳んだ生地の上に打ち粉をする場合は、生地の凹凸によりこま板のがたつきや、 打ち粉の薄い、厚いで抵抗の違いが出ないようにしてください。

こま板の下に包丁を入れるのは、 高橋さんが行き着いた一つの方法だと思います。 高橋さんは一茶庵で修行をされた方です。 一茶庵の標準は切りべら30つまり切り幅1ミリの細打ちで しかも看板商品は変わりそば、さらしな系です。 さらしな系のそばは、湯ごねをした柔らかめの生地であることが多いです。 柔らかめの生地を細く速く打つために高橋さんが編み出した方法かと思います。

包丁をこま板の下に入れるやり方を否定はしませんし、 私も生地が柔らかい時はそのほうが打ち易いと思いますが、 基本はまっすぐにおろすやりかたです。 決して基本どおりにしろと言っているわけではありません。 ある程度打てるようになれば、 色んなやり方をやってみるのも良いことだと思います。 自分や使っている道具に合うやり方が見つかるかもしれませんし、 全く新しいやり方が見えてくるかもしれません。

ブルースリーの映画で「考えるな。感じろ。」の後に 「月を指差すように」そして「指先にとらわれるな。全体を見失うぞ」 というのが続いていていたと思います。 そば打ちの工程、動作をイメージしてください。 そばを打つ時はそばに集中してください。 そばを打ったあと必ず反省してください。 そしてイメージを新たにしてください。 ちゃんと知っている方に何と説明したらいいか、私自身よくわからず わけのわからない文章を長々としてしまいました。

私の好きな言葉に 「これを知る者はこれを好む者に如かず。 これを好む者はこれを楽しむ者に如かず」 というのがあります。 リズミカルに奇麗に打ちたいと思いながら打っていると 必ず、打てるようになります。 知識も大切ですが、長くそば打ちをするためには、 そばを楽しむことが一番です。 それでは、おいしいおそばで年を越して、 良い年をお迎えください。

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