喜心庵による蛇足な註釈
川上蕎麦
長野県南佐久郡川上村は、現在は高原レタスの大産地であって、蕎麦はほとんど産しない。更科そばの生粉打ち(つなぎなしで蕎麦を打つこと)で、その名を馳せた一茶庵創業者、片倉康雄の『手打蕎麦の技術』によると、川上村には、更科の生粉打ちを得意とする川上相太郎という人がいた。その人の娘が海瀬館という旅館で打ったそばが、片倉が生まれて初めて食べた更科の生粉打ちだったという。
『蕎麦通』もくじ