二見が浦 

  2010年 1月1日
 

■ そばの二見が浦

 お正月ですので、おめでたく二見が浦の話題です。

とはいっても、有名な伊勢の二見が浦ではなくて、おそばの二見が浦です。

ふたみがうら

そばの二見が浦って何?っていう話なんですけど、もりそばを食べるときに、セイロとそば猪口の間に、長過ぎるそばが二見が浦の注連縄(しめなわ)みたいな状態になることを、昔のそば屋は「二見が浦」といったのだそうです。

そば

これは小学館ビックコミック『そばもん』監修もされている藤村和夫氏が、『手作りの蕎麦・うどん』という本に書いておられたことです。

実をいえば、これはおめでたいことでもなんでもなく、どちらかといえば、ダメな蕎麦なんだそうです。なぜダメかといえば、長過ぎるからなんです。

■ そばは長すぎてはいけないのか?

 そばが長過ぎるとクレームを言う人を見たことがありませんし、たぶん、そばが長いことに不満を感じる人はいないということなのでしょう。

しかし、すすっているそばを、途中で噛み切る人をよく見かけます。そんな不作法な食べ方をするということは、そばが長過ぎるからにほかならないのですが、だれもそんなこと気にしなくなってきています。皆さんそばは長ければ長いほどよいと思っておられるかのようです。

手打ちでそばを打つと、生地をたたんだときにできる折り目から切れてしまいますので、長くしたくてもなかなか長くはなってくれません。それにたいして、機械製麺だと折り目ができませんので、いくらでも長くすることができます。

そばを途中で噛み切るというのも、ふだんから機械で打った長過ぎるそばを食べているいちに、知らず知らずに身に付いたクセなのでしょう。

藤村和夫氏によると、ちゃんとした店だったら、機械打ちの長いそばであっても、食べやすい長さに切って盛りつけるものだそうです。

■ そば八寸

 では、そばの長さはどのくらいがちょうどよいのか。出どころはよくわからないのですが、「蕎麦八寸」という言葉があります。八寸は、長さのことで、今の長さでいえば、24センチになります。

この長さはどうやら、そばを手打ちで打ったとき、全ての折り目で切れてしまったときの長さということみたいです。実際は手打ちであっても全ての折り目で切れるわけではないので、上手に打てばもっと長くなります。

まあそれはともかく、ちょうどいい長さは20センチ~30センチってところではないかなと私は思っています

■ 蛇足ですが、、、

 年賀状などによく使われる二見が浦の日の出ですが、実は2つの岩の間から太陽が昇るのは、6月の夏至の日なんだそうです。

ちなみに九州の福岡県にも二見が浦があります。伊勢の二見が浦とそっくりな2つの岩があるのですが、こちらは6月の夏至の日に2つの岩の真ん中に夕日が沈みます。

 

参考資料 : 
蕎麦の事典(新島繁著 柴田書店)
手作りの蕎麦・うどん(藤村和夫著 雄鶏社)

 

 

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