そば湯 |
|||||||||
2010年 2月1日 | |||||||||
■ そばを食べた後にはみそ汁 そばを食べた後にそば湯をのむというのは、もともと信州の一部地方の習慣で、江戸時代の中頃には、まだ一般的ではなかったようです。なんと、そのころの江戸では、そばを食べた後には豆腐の味噌汁をのむというのが決まり事でした。 寛延四年(1751年)に江戸の日新舎友蕎子という人が書いた『蕎麦全書』という本には、そば湯が江戸に伝わったまさにその時のことをこう書いています。(めんどくさければ引用は飛ばして、ようするに からお読みください)
■ 湯桶(ゆとう)
そば湯をサービスするための器を湯桶(ゆとう)と言います。懐石料理で、ご飯を炊いたお釜のおこげをお湯に溶いてお客にだす器を湯桶(ゆとう)といいますが、これを転用したものと思われます。そもそもがそばを茹でただけのお湯ですから、少しでも高級感を演出したかったのでしょうね。 最近はプラスチック製が多数派ですが、高級なそば屋では今でも木製うるし塗製を使っているところもあります。形は丸形と角形があります。角形は注ぎ口が横についていますので、人の話に横から口を出す事を、江戸時代には「そば屋の湯桶」と言ったのだそうです。 ■ そば湯でそば屋の腕がわかる? そば湯でそば屋の腕があるていどはわかります。たとえば、そば湯でそばつゆを薄めて飲んでみると、化学調味料を使っていれば化学調味料の味が突出して現れてきますのですぐにわかります。醤油が悪ければ醤油が、鰹が悪ければ鰹がという風に、薄める事によって隠れていた粗いところがはっきりしてきます。 またそば湯が妙にヌカ臭かったりすると、そば粉が良くないなとか、妙に小麦粉臭かったりすると、二八じゃなくて逆二八だったりとか。またそば湯の色が赤茶けていれば、そばゆで釜の火力調整が下手なのかなとか、そば湯を注意深く味わえば「ああなるほどな」と気づくこともあると思います。 もっとも最近はそば粉を水で溶いて鍋で煮た「作ったそば湯」をだすそば屋が増えているので、そういうことも見えにくくなってきました。 |
|||||||||
参考資料 : 「蕎麦全書」伝(藤村和夫注解 新島繁校注 ハート出版) |
|||||||||
Q&A のページでお答えします | |
そばの迷宮の見出しにもどる | |
ホーム |