てんぷらそば |
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2010年 8月 1日 | |||||||
どこのそば屋さんでも売れ筋トップは天ぷらそばではないでしょうか。天ぷらそばには、なぜか注文してしまうふしぎな魔力があるようです。今月はそんな天ぷらそばについて調べてみました。
天ぷらそばがいつどこで生まれたのか調べてみましたが、結局わかりませんでした。 江戸時代はそばも天ぷらも屋台で食べることが多かったので、そばの屋台でかけそばを食べていた客が、となりの天ぷら屋台から天ぷらを1つ買ってそばにのせてみた、みたいなことがあったのかもしれません。 どこのなんというそば店が始めたのかわかりませんが、江戸時代にたくさんとれて安かった江戸前の芝海老をかき揚げにしてみた、そしてそばにのせてみたのが始まりのようです。
■ 芝海老 幕末の守貞漫稿という本にも、そば屋の天ぷらは芝海老と書かれており、最初の天ぷらそばは芝海老のかき揚げだったようです。 今でも東京の老舗のおそば屋さんなどでは、芝海老の殻をむいてかき揚げにして、天ぷらそばにしているお店もあります。 ■ 車海老 大きさは25センチくらいのものもありますが、天ぷらには小振りなほうが甘味があって美味です。9センチまでをマキ、さらに小さい6センチまでのものをサイマキといい、どちらも高級天ぷら店で使われています。 しかし車海老だったら絶対にうまいのかといえば必ずしもそうでもありません。以前ためしに中国産の車海老を買ってみたのですが、ブラックタイガーよりまずくて使い物になりませんでした。 逆にオーストラリア産の車海老(正確にはクルマエビの近縁種)は国産よりもおいしいと私には感じられました。しかし残念なことに、オーストラリア産車海老は今ではほとんど手に入らなくなってしまいました。 ■ ブラックタイガー 輸入冷凍海老は黒っぽいブラックタイガー、白っぽいホワイトタイガー、茶色っぽいブラウンタイガーなど、エビの色でおおざっぱに分類されいて、生物学的に何という種類のエビなのかあいまいな状態で取引されるのが普通です。 ちなみにブラックタイガーなどの輸入冷凍えびは、1箱4ポンド(1.8kg)単位で販売されています。エビ1匹のサイズは1ポンド(450g)あたりのエビの数で表示されます。ですからサイズの数字が大きくなるほど小さいエビということになります。 ■ 大正えび クルマエビ科のエビですが、色は白っぽくてシマ模様はありません。大きさは15~27センチです。 今でも大正えびを使用しているお店もあるようですが、なかにはそっくりなインド洋や南太平洋産のホワイトタイガーを、大正えびと勘違いして仕入れておられるお店もあるのかもしれません。エビ屋さんの世界ではホワイトタイガーを大正とよぶ慣習があるそうですので、そういうことも無理からぬことなのでしょう。 ■ バナメイ ■ なにが本当の海老の味なのかわからない? 添加物を使っておいしくなるんだったら、それはそれでいいじゃないかというご意見もあるでしょうが、人工的に作った味を海老本来の味だと勘違いするかたが増えるのではないでしょうか。それもちょっとさびしい気がするのです。 添加物で作られたニセモノの味が、「この海老プリップリッでおいしい!!」ともてはやされ、本物は嫌われているという現実が、1杯の天そばにもあるのです。
てんぷらといえば、なくてはならないのは油と衣ですが、有機化学や物理がからんできますので、少々ややこしい話しになりそうです。ということで油と衣については次回に。 |
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参考資料 :
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