実を言うと、かけそばのつゆはそば屋にとっては弁慶の泣き所とでもいうべき弱点なのです。
なぜ弱点かと言うと、汁の量が多いですから。つかうダシの量も、もりそばだと、多くても100ミリリットルくらいですが、かけそばだと少なくとも300ミリリットルは使います。
もりそばほどには濃いダシは必要ないとしても、単純計算で3倍ダシを使う訳ですから、原価はもりそばより高くなります。でも、カケがモリより高いってこと、あまりないですよね。
売れても儲からない、という意味で弁慶の泣き所なんですが、それではお店がやっていけないので色々工夫する訳です。
たとえば、2番ダシを使うとか、本鰹よりも比較的に安い鯖節を使うとか、鰹節の量をギリギリに減らして砂糖の甘さでコクを補うとか、、等々、店によって様々な秘伝の技を駆使します。
「かけそばで蕎麦屋の腕がわかる」なんて言う人もいますが、あながち見当違いでもないかもしれません。
■ 作りかた
ご家庭では、原価を考慮する意味はあまりないと思いますので、手に入りやすい本鰹の削り節を使ってぜいたくします。
そば屋っぽく厚削りの鰹でという場合は 厚削りのだし をご参考にこのページの分量で試してみてください。もし鯖節を使う時には、長時間煮ると濁ることもありますのでご注意ください。
材料 |
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水 |
2リットル |
削りぶし |
60g |
かえし |
160ml〜200ml |
- 水を沸かす
2リットルのうち1.3〜1.4リットルを沸かします。沸騰したら火を弱め、水を少し差して90度くらいの温度にします。90度が最もだしのよく出る温度です。
- 削り節を入れる
削りぶしを入れ、あぶく(アク)をすくい取ります。
- だしを漉す(1番ダシ)
ざるにキッチンペーパーを敷いてだしを漉します。
これは絞らないでください
- 残りの水をなべに入れて火をつける
- だしがらをなべにもどす。
- わいたら再びダシをこす。(2番ダシ)
- 1番ダシと2番ダシをあわせて沸かす。
- 沸騰したら火を止めて、かえしを入れる。
濃くなりすぎないよう味見しながら少しずついれてください。
- 出来上がり