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そばつゆ(薄削りの鰹節で) 

 

 もりそばのつゆ(から汁)のつくりかたです。これでスーパーで売っている麺つゆより美味しいつゆができます。

「薄削り鰹節でそばつゆなんて!本格的なそばツユは厚削りじゃないのか」とお思いの方もございましょうが、どうしてどうして、実は有名なそば屋さんでも、薄削りの鰹節を使っているところもあります。

薄削り鰹節でのダシとりの特徴は、

  • 短時間ですむ。時間ガス代の節約でとてもエコ。
  • 雑味が少ない。雑味が少ない事で逆にコクが無いと感じる人もいる。
  • 鰹節の香りが強い、この香りの強さがそばの香りをジャマすることもある。

< 流れ >
かえしを作る→ かえしの熟成 → ダシとり →
    かえしとダシを合わせる → 熟成 → 完成

結構時間がかかります。完成まで10日くらいかかるとみてとりかかってください。

■ かえしを作る

かえしには、醤油を加熱する本がえしと加熱しない生がえしがありますが、これは本がえしです。 

材料     
本醸造濃口醤油 1リットル
砂糖 120g〜200g 好みで加減
本みりん 150ml

 砂糖の量に幅がありますが、好みで加減してください。かつお節がエグ味があるなどあまり良くない時は、甘さでごまかすことができます。そういう意味では、砂糖が多いほうが失敗が少ないと思います。

  • 本みりんを鍋に入れ、火にかけアルコールをとばす。
  • 砂糖を入れて煮溶かす
  • 砂糖が溶けたら濃口醤油を入れる
  • 80度まで温度が上がったら火を止め、自然に冷ます

■かえしの熟成

人肌くらいの温度になったら、ガラスビンかペットボトルに移します。そのままなべに入れっぱなしにしていると塩分でなべが錆びます。

流しの下など温度変化の少ない場所に最低1週間置いて熟成させます。 なぜだか理由は分かりませんが、熟成により塩味がまろやかになります。

■ダシとり

材料     
1リットル
鰹削り節 30g

 ご家庭で簡単にということなので、スーパーなどで売っている袋入りの削り節(花鰹)を使います。本鰹の枯節で削りたてを使えれば、それにこしたことはありません。

袋入りの削り節は窒素ガスを詰めています。この窒素ガスで酸素を遮断しています。開封して酸素に触れると数時間で劣化します。できれば全部使い切ってください。もし使い切れなければ、袋の口をきっちりしめて冷凍保存してください。2週間でしたら、ダシにつかえます。

袋に印刷している原材料表示ですが「かつおのふし」と書いていればカツオの荒節、「かつおのかれふし」とかいていればカツオの枯れ節です。枯れ節というのは、かつお節にカビをつけて醗酵熟成させたものです。一概にはいえませんが、荒節は大衆的なそば屋さんで、枯れ節は高級なそば屋さんで使われる事が多いようです。一般論ですが、荒節は力強い風味、枯れ節は上品でマイルドな風味といわれています。

どちらが良いかは好みの問題です。ガツンとインパクトのあるツユを目指すのであれば、なるべく安い荒節をお選びください。

水は飲んでまずく無ければ水道水でもかまいません。もし、市販のペットボトル入りの水を使う時は、軟水を使ってください。

ペットボトル入りの水には、ミネラル分の多い硬水と少ない軟水があります。硬水は、だしには向きません。ラベルの品質表示をよく読んでお確かめください。

厚削りのかつお節でダシをとるばあいは、厚削りのだしをご覧下さい。

  • 水を沸かす
    沸騰したら火を弱め、水を少し差して90度くらいの温度にします。90度が最もだしのよく出る温度です。
  • 削り節を入れる
    削りぶしを入れます、この温度だと、たぶんほとんどアクは出ないとおもいますが、あぶく(アク)をすくい取ります。
  • だしを漉す
    ざるにキッチンペーパーを敷いてだしを漉します。
    漉すときにかつおぶしをお玉で軽く押して絞ってください。和食では、だしは絞らないとも言いますが、そばに限っては絞った方がコクが出ます。

味見して、ダシが薄かったり、エグ味あったりしても、「失敗した!」と思わないでください。ミリンを 少し入れてアルコール分が蒸発するまで(4〜5分)煮ると助かることもあります。

■かえしとダシを合わせる

材料     
だし 1リットルにたいして
かえし 200ml 〜 350ml

辛口がいいのか、それとも甘口がいいのか。好みのわかれるところでしょう。市販の麺つゆは、かえし1に対してダシ4くらいではないかと思います。それより辛い方がいいのか、甘い方がいいのか、好みで決めてください。

  • ダシを計って、かえしの量を決める
    ダシの量からかえしの量を計算します。
    例)ダシ1リットルに対してかえし200mlの割合でつくる場合、ダシが 1.6リットルだとしたら、 
    1.6 × 200=320 で、320ml のかえし
  • ダシを火にかけてわかす
  • ダシがわいたら、かえしを入れて火を止める
  • ペットボトルに入れる(自然に冷ます、氷水などで急いで冷やすと味のまとまりが悪くなります)

■熟成・完成

  • 冷蔵庫で保存(熟成)
    できたての時に味見して「こんなんで良いのかな?」と思われるかもしれませんが、1日たてば見違えるほど味が落ち着きます。

 

※湯煎

 かえしは、乳酸醗酵で酸味がでてくることがあります。そういうときには、湯煎をすることで、酸味を減らす事ができます。

  • 大小2個のなべを用意し、大きいほうにお湯を沸かし、小さい方にそばつゆを入れます。
  • 大なべのお湯にそばつゆの入った小なべをいれます。
  • こうやって、ゆっくり水分をとばします。

ゆせん

これを湯煎といいます  
昔からある蕎麦屋の技法です。 わざとあらかじめ薄めに作って湯煎で濃縮する店もあります。

なぜそんな回りくどいことをするのかというと、鰹節や醤油の香りを殺すためです。こう言うと「せっかくの香りをなぜ殺すのか、もったいない」と思われるますよね。

たしかに、ツユの味だけをみれば香りが強いほうがおいしいのです。しかし、ツユの香りが強すぎると、そばの香りが負けてしまうのです。そのあたりバランスを考えてツユの香りを殺すのです。

厚削り鰹節のそばつゆ
かつおぶしのことなど


 

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