そば打ちの道具って一揃い何万円もしますよね。それに買ったら買ったで置き場所に困るし・・・。そんなこんなで、そばは打ってみたいがどうもね、とお考えのかたもいらっしゃるのでは。
そこで、そば打ち道具を使わないでそばを打つ方法を考えてみました。そば屋さんみたいに一度に何十人前も打つわけにはいきませんが、一度に一人前くらいの少量で田舎そば風太打ちそばだったら、そば打ち道具なしでも打てます。使うのは、どこのご家庭にもある普通のキッチン用品だけです。今年の年越しそばにぜひお試しください。
使うもの |
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はかり |
できれば1g単位のデジタルはかり |
包丁 |
家庭用三徳包丁など |
ボウル |
24p以上のもの、多少小さくても構いません。鍋でも可。 |
まな板 |
家庭用 |
のし台
(のしスペース) |
耐水性のある凹凸の無い平面。今回は流しの横のステンレス台(46p×26p)を使用。 |
材料(1人前) |
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そば粉と小麦粉 |
あわせて100g
今回は8対2でやってみましたが、打ちやすい割合にしてください。 |
打ち粉 |
片手で1つかみくらい |
水 |
45g
全部使い切る訳ではありません。粉によって適正加水量はちがいます。 |
■ 打つまえに、ちょっと説明
少量の、だいたい一人前のそばを麺棒やそば打ち台を使わずに打ちます。
麺棒の代わりになるのは、手のひら。手のひらで、押さえて生地を伸します。手のひらですから麺棒ほど薄くは伸せません。厚めになりますので、太打ちのそばを目指します。
そば打ち台の代わりに使うのは、台所の流し台の横の平らな部分。そして、そばを切るのはどこのご家庭にもある三徳包丁です。
※1回に打てるのは、そば粉+小麦粉で100g〜120gです。(麺棒無しで手でのす限界です。)
■ 加水
そば粉と小麦粉を合わせ混ぜる。
水40gぐらい入れる。 両手で粉を下から掬い上げるよう水回しをする。
指に付いた水を多く含んだそばを落す。
水の多い部分と少ない部分を両手のなかで擦り合せる。
水を少し手のひらにとり指の隙間から全体にふりかける。
ふただび水回し、擦り合わせをし適量加水になるまで繰り返す。
適量加水になったらまとめてひとつにする。
■ 捏ね
適当な台の上でよく捏ねる。 少し揉んで固さを確認してください。 柔らかすぎて手に付くようなら粉を少し足して捏ね、手に付かなくなるまで粉を足しながらよく捏ねてください。 ひびが入るようであれば水が足りません。少しずつ水を足しながらひびが入らない程度の柔らかさにして良く捏ねてください。 ひとつにまとめてから、水や粉を足すのは、普通は良くないとされていますが、小さい玉ですからよく捏ねれば、問題ありません。
■ のし
適当な台の上にのせ、手のひらでのします。 台の上に直接打ち粉を振っても良いのですが、ステンレスに均一にふるのは難しいので、生地のほうに打ち粉を均一にほどこし、ひっくり返して両面に打ち粉をします。
ある程度のしたら打ち粉をほどこし、ひっくり返して打ち粉をします。 あまり薄くのすと後々扱い難くなるので、 あまりこだわることはありませんが、目安として、週刊誌ぐらいの大きさにのしてください。 後半押さえがききにくくなったら、両手でグッグッという感じで押さえてください。 指先より手のひら,特に親指の付け根を上手く使うのがコツです。
■ たたみ
向こう側半分に打ち粉をして、手前から向うに半分にたたみます。
■ 切る
まな板に打ち粉をし、その上にそばの生地をおきます。 生地の上に打ち粉をします。 包丁で適当に切って行きます。 7本から10本切ったあたりで、切ったそばを軽くなでてやるような感じで切り口を開いて切断面に打ち粉をまわしてやり、そばを掴んで軽くふり、余分な打ち粉を落し、トレイかタッパにそばを置きます。
■ 調理
ここで紹介したそばは、太くて短いそばです。(短いといっても、15〜20センチくらいにはなります) 太く短いそばにはそれにあった調理法があります。 おすすめは、おろしそばなど和え物感覚のそばです。
おろしそばには、細くて長いそばより太くて短いそばのほうが向いています。
また寄せ鍋など鍋物に下茹で無しに生のまま放り込んでください。
もし箸でつまむのが難しいほど短くなったら、 マカロニのように使いサラダにするという手もあります。 好みですが,マヨネーズよりオリーブオイルと塩だけのシンプルなほうが合うような気がします。 そばつゆベースのドレッシングとか色々試してみてみてください。
箸でつまめないほど短くなってしまった場合は、汁物の具に使うこともできます。 たとえば、豚汁に生のまま入れて煮ると汁にとろみがついて温まります。豚を鶏に変えてもいけます。 そばが太くて短くても、工夫次第で色々使えます。