■ あつもりそばとは
「あつもり」は漢字で書くと温盛、あたたかい盛りそばのことです。
でも、おそば屋さんのお品書きを見ても「あつもり」なんて見かけませんよね。蕎麦の世界ではすっかり忘れられています。今では、あつもりといえばラーメン屋さんのつけ麺ということになってしまいました。
実は蕎麦のあつもりのほうがずっと先。江戸時代の初期(もしかしたらもっと昔の戦国時代)からある古いそばの食べ方なんです。
話しはちょっと横道にそれますが、江戸時代中頃までは、そばは大坂、うどんは江戸でした。いまと真逆ですね。
江戸歌舞伎助六にはうどんは出てきますが、そばはでてきません。赤穂浪士の討ち入り前の集合場所も、古い本ではそば屋ではなくて、うどん屋ということになっているそうです。(もちろん史実ではありません)
大坂がそばの町だったころに、はやったのが「あつもり」でした。今でも、大阪にはあつもり専門のそば屋さんがあります。
■ 材料 |
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ゆでたそば |
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そばつゆ |
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お好みで薬味やタマゴ、無くても可 |
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※ ゆでたそばとは、ゆでたのち冷水で締めたそばのことです。
■ つくりかた
作り方といっても、ゆでたそばをお湯で温めるだけです。簡単すぎてごめんなさい。おっと、忘れるところだった。ツユのほうも温めておいてください。
乾麺をゆでたものでも、袋入りでスーパーなど売っているゆでそばでもOKですが、ちょっと太めに打った生粉打ちそば(10割そば)なら最高です。
※ 生粉打ちそばの打ち方は、基本的には二八と同じです。ただ二八以上に丹念な水廻しと捏ねが必要になります。
汁は盛りそば用のそばつゆを温めて使います。熱々の汁に生タマゴを入れることもありますが、そのままでもおいしくいただけます。鴨セイロの汁につけて食べるのもなかなかオツなものです。
あつもりですから、熱々のうちに食べたくなるのですが、ここはちょっと我慢。フタをして、フタがなければラップして10分くらいむらすと、さらにそばの甘味と香りが引き出されます。
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