■ おろしそばは4タイプある?
おろしそばとは、大根おろしを具にしたそばです。ところで、おろしそばといわれているそばには少なくても4タイプあるようです。
その1、 |
もりそばの薬味に大根おろしをつけたもの。
たとえば、通常のもりそばの薬味がネギとわさびだけでのそば屋さんの場合、薬味に大根おろしをプラスすると「おろしそば」といっている場合があります。
最初っからもりそばの薬味に ネギ・ワサビ・大根おろし の3点セットにしているお店もありますから、その違いというと、ちょっとモヤモヤしたものがあります。
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その2、 |
温かいかけそばの上に大根おろしをのせたもの。あまり見かけません。みぞれそばといっている店もあります。
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その3、 |
そばの上に大根おろしをのせ、そばつゆをぶっかけるもの。いわば、おろしぶっかけそば。だぶんもっともポピュラーなのではないでしょうか。福井県の越前おろしそばが有名ですね。
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その4、 |
大根おろしの絞り汁でそばつゆをつくるもの。真田そばがこのタイプですが、前述の越前おろしそばも、昔は大根絞り汁でそばつゆを作っていたようです。
このタイプのおろしそばを出すそば屋さんが、福井県にあったのですが、近年廃業されたようです。このタイプはそばの絶滅危惧種のようです。
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■ 材料 |
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ゆでたそば |
お好きなだけ |
そばつゆ |
お好きなだけ |
大根 |
お好きなだけ |
削り節 |
お好きなだけ |
ネギ |
お好きなだけ |
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※ ゆでたそばとは、ゆでたのち冷水で締めたそばのことです。
■ つくりかた
シンプルな越前風のおろしそばのレシピです。作り方といってもゆでたそばに、大根おろしとネギと削り節をのせて、そばつゆをぶっかけるだけです。肝心なのは、大根おろしはおろしたてのものを使うということです。
正直なところ、そば屋のおろしそばは嫌いです。なぜなら大根おろしが古い。大根おろしというものは、おろしたてがいちばん美味しいものなのです。 時間がたつと臭みもでますし気も抜けてしまいます。
しかし商売となると、いくらおろしたてがおいしいからといっても、お客の注文を聞いていから大根をおろすというわけにもいきません。そんなことをしていた日には、お客は「いつまで待たせるんだ!」と怒って帰ってしまいます。
そういう事情で、大概のおそば屋さんでは、前日のヒマな時間にまとめて大根をおろしています。(喜心庵では無理して大根おろしは注文を聞いてから、その都度おろしていました。待たされてお怒りのお客様も多かったのではとおもいます。)
ご家庭で作る分には、おろしたての新鮮な大根おろしが使える訳ですから、気の抜けたそば屋のおろしそばよりずっと美味しいおろしそばができるはずです。
■ 大根について
大根おろしも辛いほうがいいのか、辛くないほうがいいのか、好みの分かれる所です。私の師匠にあたる人は辛いのが嫌いだったようで、大根は皮をむいておろしていました。大根の辛味成分は皮に多いからです。
辛いほうが好みでしたら、辛味大根という小振りで辛い大根なんですが、これがなかなか売っていません。そこで、これから夏になると辛味がましてくる普通の大根を使うという手もあります。
普通の大根で、辛味大根なみの大根おろしを作るには、辛い大根を選ぶこと。側根が生えている穴が斜めに並んでいる大根は辛い確率が高いようです。大根の辛味の強い下3分の1を使います。 |