土三寒六とは讃岐うどんを打つ時の塩かげんのことをいったものです。
土は土用、真夏のいちばん暑い時期のことで、うなぎでお馴染みの土用です。つまり夏の暑い時には塩1升に水3升、冬の寒い時には塩1升に水6升の割合いの塩水で小麦粉をこねるという意味です。
しかし、今どきこんな濃い塩水でうどんを打つ人はいません。1対3の塩水では飽和状態になって、うどんなんて打てるわけ無いと言う人もいるくらいですから。土三はありえない伝説なのでしょうか?
しお沖縄の塩をカップ1杯、約180g。これをカップ3杯の水に溶かせば計算上の濃度は23%
精製塩(JTの塩)カップ1杯は約210g。これをカップ3杯の水に溶かせば計算上の濃度は26%でほぼ飽和状態。今回は昔の塩に近い沖縄の塩のほうを使います
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のうどけい
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のうど目盛り
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光学式濃度計。1対3の塩水をこれで見ると21%で、計算より若干低い
小麦粉に塩水をまぜる
加水量50%で小麦粉をこねてみました。小麦粉はASW(オーストラリア小麦)
できたうどん本心を言えば、こんな濃い塩水では打てないだろうと思っていました。意外なことですが、結論をいえば、少々固くはなりましたが、普通に手打うどんが打てました。味も塩辛いと言う事も無くツヤもコシも十分でした。
昔のうどん職人は嘘は言わなかったようです。 |